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超簡単!ネズミ駆除に使う餌の効率を倍増させる7つのテクニック
- ネズミ駆除の豆知識
- 2019.12.15
「ネズミが罠用の餌(エサ)を食べてくれない!」
「効率よくネズミを駆除したいから、食いつきのいい餌を用意したい」
ネズミ駆除には「餌」を利用しますが、効率よく利用しないと食べ物を無駄にする結果になってしまいます。
しかし、ちょっとした工夫をすることで、ネズミが餌にかかってくれる効率を何倍にも引き上げることが可能なのです。
この記事では、長年ネズミ駆除に携わってきたネズミ駆除のプロが、ネズミを効率よく餌に食いつかせるためのポイントを解説します。
- ・ネズミ駆除に餌を使う方法
- ・ネズミの種類と好む餌の傾向
- ・餌の効率を上げる7つのテクニック
- ・餌を使ったネズミ駆除の問題点
少しでもネズミを効率よく駆除したい人に必見の情報が盛り込まれていますので、これからネズミを駆除したい人、すでに行っているネズミ駆除の効果を上げたい人はぜひ読んでみてください。
ネズミ駆除に餌を使う方法
ネズミ駆除において餌を使う方法としては、主に「捕獲用の罠の誘引用」「殺鼠剤を食べさせる」の2種類があります。
- ・捕獲用の罠への誘引用の餌
- ・殺鼠剤を食べさせるための「毒餌」として
捕獲用の罠への誘引用の餌
ホームセンター等で「ネズミを捕まえるための罠」を購入することができますが、ネズミは簡単には罠にかかってくれません。
ネズミは基本的に警戒心が強く、普段と違う状況になると強い警戒心を示します。
罠に近づいてもらい、ネズミを捕獲するための誘引用として、ネズミが好む餌を設置するのです。
殺鼠剤を食べさせるための「毒餌」として
同じくホームセンター等で購入できる「殺鼠剤」は、ネズミを殺すための成分が含まれています。
これをネズミに食べさせることでネズミを死に至らしめて駆除するのですが、あくまでもネズミが食べることが大前提であり、殺鼠剤のみを設置してもネズミは食べてくれません。
そこで、ネズミが好む餌に殺鼠剤をまくことで、餌と一緒に殺鼠剤をネズミに摂取させるのです。
種類ごとに異なる好む餌の傾向
日本の家屋に浸入するネズミは主に3種類あり、基本的にすべて「雑食」ですが、種類によって好む餌の傾向は異なります。
- ・クマネズミ:果物
- ・ドブネズミ:肉類、魚類
- ・ハツカネズミ:野菜
ネズミが好む食べ物
ネズミは雑食なので基本的に何でも食べると考えてください。
主に以下の食べ物が食害に遭う可能性があり、罠用の餌として活用できる可能性があります。
穀類 | 麦、小麦粉、とうもろこし、大豆の粉 |
種子 | ピーナッツ、その他の木の実 |
野菜 | じゃがいも、さつまいも、ニンジン |
果物 | バナナ、リンゴ |
調味料 | 砂糖、糖蜜、バター、ごま油 |
加工品 | ソーセージ、さつま揚げ、パン |
チーズは食べないの?
上記の表を見ると「チーズ」が入っていませんね。
確かにネズミは雑食であり、チーズも食べることができますが、そこまで好んで食べるというわけではありません。
「ネズミの好物=チーズ」というイメージは、どちらかといえばアニメや漫画によって刷り込まれたイメージとなりますので、ネズミ捕獲用の餌にチーズを使うことはあまりおすすめできません。
種類によって好む餌の傾向が異なる=ネズミの種類を特定することが重要
ネズミは、種類によって好む餌の傾向が大きく異なります。
例えば「クマネズミ」は果物を好むのに対して、「ドブネズミ」は肉類や魚類のようにタンパク質を多く含む食べ物を好みます。
つまり、建物内に侵入しているネズミの種類を特定することが、ネズミを罠にかけるための餌に効率よく食いつかせるために必要なことであるということです。
ネズミの種類は、本体を目視するほかにも「フン」の形状を見ることで判断できる可能性があります。
- ・クマネズミ:大きさは6〜10mm、細長くて形が不揃い
- ・ドブネズミ:大きさは10〜20mm、均一で太く、丸みがある
- ・ハツカネズミ:大きさは4〜7mm程度、端が尖っている
ネズミの種類を特定することは、ネズミを捕まえる際に重要な情報源となりますので、可能な限り特定しておくことをおすすめします。
なお、どうしてもネズミの種類を特定できない場合には「クマネズミ」であると想定して作業することをおすすめします。
日本の建物内におけるネズミ被害の大半はクマネズミであるといわれており、これはクマネズミがネズミの中でも特に高い警戒心を持っていることと関係しています。
ある調査によると、クマネズミの警戒心は、好奇心旺盛なハツカネズミと比較して10倍以上であるとされています。
- ・ハツカネズミ:1(基準)
- ・ドブネズミ:4.5
- ・クマネズミ:13.5
ネズミが餌に食いつく可能性を上げる方法
ネズミが餌に食いつき、駆除のための罠にかける効率を高めるためには、さまざまな工夫が必要になります。
- ・餌の種類にこだわる
- ・餌を設置する数にこだわる
- ・餌の設置場所、設置方法にこだわる
- ・設置する餌のバリエーションにこだわる
- ・餌のアレンジにこだわる
- ・餌への警戒心を解かせる
- ・餌に食いついていなくても慌てない
餌の種類にこだわる
まず第一に「餌の種類」にこだわることが重要です。
- ・ネズミの種類がわかっている場合、その種類が好む傾向の食べ物を餌として選ぶ
- ・すでに建物内で食べ物が被害に遭っている場合、その食べ物を餌として選ぶ
前述のとおり、ネズミは基本的に「雑食」なので何でも食べる印象が強いですが、種類ごとに好みが分かれます。
建物内に侵入しているネズミの種類にそぐわない種類の食べ物を餌にしても、なかなか食いついてくれないでしょう。
また、同じ種類のネズミでも生息している環境によって好む餌の傾向が変わるという意見もありますので、一概に前述の好む餌の傾向がそのまま当てはまるとも言い切れません。
いずれにしても、設置した餌が何週間も食べられずに放置されてしまっている場合には、餌の種類に問題がある可能性がありますので、設置する餌の種類を変更することも検討しなければなりません。
餌を設置する数にこだわる
餌を設置する際には、単一ではなく、複数個を設置することを前提としてください。
もし、設置した唯一の場所がネズミにとって食事するのにそぐわない場所の場合、いくら待っても餌に食いついてもらえない可能性があります。
そのため、一か所に数多く餌を設置するよりも、複数個所に少しずつ餌を設置したほうが食いついてもらえる可能性を高めることができます。
餌の設置場所、設置方法にこだわる
複数個所に餌を設置する場合は特に「設置場所」には細心の注意を払う必要があります。
もし、ネズミが全く関心を示さない場所に餌を設置しても、食べられずに腐ってしまうか、乾燥して食べられなくなってしまう可能性が高くなります。
最低限、「ネズミが通る場所」やその近くに餌を設置しないと、なかなか食いついてもらえないでしょう。
ネズミが通る場所を知る手段としては「ラットサイン」を参考にすることをおすすめします。
以下の目印がラットサインであり、そこをネズミが通り道にしている証拠でもあります。
- ・ネズミの糞や尿の跡
- ・ネズミがかじった跡
- ・壁や柱の黒ずみ
- ・その他、壁や柱の不自然な変化
複数のラットサインを見つけることができれば、ネズミの移動経路からさまざまな情報を読み取ることができます。
- ・ネズミの侵入経路(建物外から建物内への進入経路)
- ・ネズミが巣を作っている場所
設置する餌のバリエーションにこだわる
罠として餌を設置する際には、単一の種類の食べ物を設置するのではなく、さまざまな食べ物を設置することをおすすめします。
前述のとおり、根角には種類や生息環境によって好む餌の傾向が異なるため、仮に「これならネズミが好きそうだ」と思って設置した餌が、そこに生息しているネズミの好まない餌であれば食いつかれない可能性が高くなってしまうのです。
要するに「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」作戦であり、最終的に食いつきの良い餌を数種類に絞りますが、最初の頃は可能な限りさまざまな種類の餌を罠として設置してみてください。
また、食いつきの良い餌の傾向を知ることで、生息しているネズミの種類を特定するための判断材料にすることも可能です。
餌のアレンジにこだわる
罠用の餌は、ただネズミが食べやすいようにカットして設置するのではなく、さまざまな「アレンジ」を駆使することも重要なポイントです。
人間の食事のようにこだわって調理する必要はさすがに必要ありませんが、ちょっとしたアレンジを施すことによって同じ餌でも食いつきがかなり改善される可能性があるのです。
- ・粉末状にする
- ・調味料(ごま油など)をかける
- ・複数種類の食べ物をミックスする
ただし、「調味料」を使用する場合には注意が必要です。
- ・殺鼠剤の中には水分に反応する種類がある
- ・建物内に調味料の臭いが拡散する可能性がある
餌への警戒心を解かせる
ネズミを罠にかけるためには「餌への警戒心を解かせる」ことも重要です。
ネズミは警戒心が強いため、仮に好物が目の前に置かれているとしても、危険を察知すればなかなか食いついてくれません。
そのため、最初は罠や殺鼠剤などを使用せず、安全な状態の餌を置いて警戒心を解かせるという方針も有効です。
ネズミが餌に安心して食いついてくれるようになってから、本格的にネズミを駆除し始めてください。
餌に食いついていなくても慌てない
最も重要なことは「餌に食いついていなくても慌てない」ことです。
前述のとおり、ネズミは警戒心が強いので、好物を置かれてもなかなか食いついてくれることはありません。
よほど空腹ですぐにでも食事しないと死んでしまうなどの状況でもない限り、設置してから数日で餌に食いつくということは考えにくいのです。
そのため、餌を設置したら定期的にチェックすることは重要ですが、最低でも1週間は様子を見てください。
- ・あまり頻繁にチェックしない(ネズミに警戒されるから)
- ・何週間も変化がなければ餌の種類や設置場所を再検討する
- ・餌が減っていれば補充する
殺鼠剤とスーパーラット
餌の使用目的が「殺鼠剤」である場合には、一部の殺鼠剤が効きにくい「スーパーラット」の存在に注意が必要です。
スーパーラットに対しては殺鼠剤の種類を考慮するか、捕獲罠による駆除が有効です。
スーパーラットとは?
「スーパーラット」とは、一部の殺鼠剤に対して耐性を獲得した個体のことをいいます。
クマネズミによくみられるのですが、「ワルファリン」という成分の殺鼠剤に対して耐性を獲得し、この殺鼠剤の効果が表れにくいため殺鼠剤による駆除が効果を発揮しないという厄介さをもっています。
殺鼠剤の成分
一口に殺鼠剤といっても種類があり、それぞれネズミに対してどのような影響を及ぼすのかが大きく異なります。
成分名 | 主な効果 |
クマリン系(ワルファリンなど) | ・抗凝固作用による出血 |
リン化亜鉛 | ・体内でリン化水素ガスを発生させ、呼吸困難を引き起こす ・即効性が高い |
シリロシド | ・呼吸困難を引き起こす |
α-ナフチルチオウレア | ・呼吸困難を引き起こす ・ドブネズミに効果的 ・生き残ると耐性を獲得する |
ノルボルマイド | ・血管が停滞し、酸欠状態になる ・致死効果が高い |
スーパーラットに対しては殺鼠剤の種類を変更することが必要
スーパーラットは基本的に「ワルファリン」に対して耐性を得ていますが、それ以外の成分に対しては耐性を獲得していません。
なので、「リン化亜鉛」などの殺鼠剤を使用すれば、スーパーラットであっても殺鼠剤で駆除することが可能です。
餌を使用したネズミ駆除の問題点
餌を使用してネズミを駆除する方法の最大の問題点は「ネズミの死骸を処分しなければならない」ことです。
手間や精神的な負担を考慮すれば、ネズミ駆除業者に依頼したほうがメリットが大きいでしょう。
どんな利用方法でも建物内でネズミは死んでしまう
ネズミを駆除するために餌を利用する方法は主に2種類ですが、どちらの方法でも基本的に「ネズミはその建物の内部で死んでしまう」という特徴があります。
- ・捕獲用の罠への誘引用の餌
- ・殺鼠剤を食べさせるための「毒餌」として
罠にかかった場合はもちろん、殺鼠剤を食べた場合でもネズミは建物内にその死骸を残します。
自然界であれば他の生き物に食べられたり土に還ったりしますが、建物内で死んでしまったネズミは勝手に消滅することはありません。
残った死骸は腐敗し、悪臭と病原菌という厄介な置き土産を残すのです。
そのため、餌を利用したネズミ駆除においては、ネズミの死骸を片付けなければならないというデメリットがあります。
餌を利用したネズミ駆除は即効性が問題
餌を利用したネズミ駆除は「即効性に乏しい」という問題点があります。
ネズミは警戒心が強く、捕獲罠や殺鼠剤の効果がしっかりと出るまでには相当な時間を要します。
しかも、それで建物内のすべてのネズミを駆除できるとも限らないので、かなり根気よくネズミを餌に食いつかせ続けなければなりません。
その間の餌代だけでも相応のランニングコストになりますし、何より「駆除しきるまでの間、ずっとネズミ被害に苦しみ続けることになる」という大きなデメリットを無視できないのです。
ネズミ駆除は害獣駆除業者に依頼することも検討
餌を利用してネズミを駆除しようと考えているということは、ネズミ被害に苦しめられているということなので、速やかかつ手間なく、安全にネズミを駆除しようと思うのであれば「害獣駆除業者にネズミ駆除を依頼する」という選択肢についても考慮すべきです。
そのメリットは以下のとおりです。
- ・完全駆除できる
- ・屋根裏や縁の下に自分で潜らなくていい
- ・ネズミのフンや死骸を自分で片付けなくていい
- ・駆除用の道具を何種類も購入して試す手間が省ける
- ・ケガや病気がうつる心配がない
ネズミ駆除における重要なポイント「完全駆除」を実現できるのは、ネズミの生態を知り尽くし、それに基づいて駆除作業が可能であるネズミ駆除業者ならではのメリットです。
手間をかけず、速やかにネズミ被害とサヨナラすることができますので、ネズミ被害に苦しめられている人は業者への依頼を検討してください。
まとめ
この記事では、以下の内容について解説しました。
- ・ネズミを罠にかけるために餌を設置する
- ・ネズミは種類によって好む餌の傾向が異なる
- ・さまざまな方法で餌への食いつきを良くすることができる
- ・スーパーラットには一部の殺鼠剤が効かない
- ・餌を利用した駆除方法はネズミの死骸が残る
- ・餌を利用した駆除方法は即効性に乏しい
餌を設置する際には、ちょっとした工夫をするだけで効率よくネズミを駆除することができるのだとわかります。
しかし、餌を利用してネズミを駆除する際には、さまざまな問題点が発生する点は無視できません。
しかし、ネズミによる被害を放置すれば、健康面と金銭面でさまざまなデメリットが発生することは避けられないでしょう。
完全にネズミ被害を食い止めたいのであれば、完全駆除を手間なく速やかに実現してくれる害獣駆除業者に駆除を依頼することをおすすめします。