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プロが教える毒餌を使用したネズミ駆除

ネズミ駆除
2019.01.29

ネズミを駆除するために効果的な方法が、毒餌を使用する方法です。しかし、毒とはどのようなものを使えば良いのか、分量はどれくらいか、安全に使うためにはどうすれば良いかなど、悩む人も多いでしょう。

そこで、ネズミ用の毒餌とはどのようなものなのか、毒餌を使ったネズミ駆除の方法についてまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

どの毒餌を使えばいいの?

ネズミの毒餌にもいろいろな製品がありますが、どれを使えば良いのでしょうか?

市販で手に入る製品なら、アース製薬の「デスモアプロ」がおすすめです。業務用ですが、ネズミ駆除のプロもよく使用しています。

デスモアプロは毒性が弱い蓄積毒という種類の製品に属しますが、蓄積毒系の中では強力なジフェチアロールが有効成分です。毒の効き目が比較的高いため、費用対効果が高くバランスが良い商品です。

しかも、そこまで毒性が高くないため、人やペットが誤って食べてしまっても致死量に達することはほとんどありません。

安全性の面からも素人の方が使用するならおすすめの商品です。

毒餌は大きく2種類に分けられる

上記でご説明したアース製薬の「デスモアプロ」は蓄積毒系というお話をしましたが、毒餌の種類についてご説明したいと思います。毒餌の種類には、毒性が低い蓄積毒系と、毒性が強い急性毒系の2種類があります。この2つの種類の毒餌について、詳しくご紹介します。

蓄積毒系

蓄積毒系とは毒性が弱く、食べてすぐに致死量に達するものではない種類の毒のことです。

蓄積毒系の有効成分には、主にクマリン、ワルファリン、ジフェチアロールという3種類の成分があります。

その効果はジフェチアロール>>ワルファリン>ワルファリンの順番で、ジフェチルアロールが最も高い毒性を持ちます。

ネズミの食いつきの良さは、ワルファリン≧クマリン>ジフェチアロールです。

つまり、ジフェチルアロールは毒性が強く効果は高いけれど食いつきが悪く、ワルファリンは毒性が低いが食いつきが良いということになります。ただしジフェチアロールはワルファリンの300倍以上の効力をもつため多少食いつきが悪くてもネズミへの効果は一番高いです。

急性毒系

急性毒系とは、ネズミが食べてすぐに毒が回って死んでしまうものです。

いろいろな種類がありますが、最もよく使われているのはリン化亜鉛です。毒性が強く、ネズミが一口食べるだけで致死量に達します。畑や屋外のネズミ対策によく使われます。

効果は高いですが、人やペットにも影響が強く出るため取扱に注意が必要です。そのため、一般の家庭での使用は、あまりおすすめできません。

蓄積毒の毒餌を勧める理由

一般家庭で使うネズミ駆除のための毒餌に蓄積毒系の製品をおすすめする理由について、詳しく見てみましょう。

ネズミの死骸の処理をできるだけ避けられる

クマリン系やワルファリン、ジフェチアロールなどの蓄積毒系の有効成分の毒餌は、ネズミの視神経を壊します。視神経を壊されたネズミは、光を求めて明るい場所へ向かい、いずれ餓死します。

つまり、蓄積毒系の毒餌を使うことで、ネズミが外で勝手に死んでくれるというベストシナリオが生まれるのです。また、家の中で死んでしまった場合も、明るい場所で死ぬことが多いので発見が容易なことが多いです。

ネズミの死骸の処理を完全に避けることはできませんが、できるだけ避けたい場合は蓄積毒系の毒餌を使うと良いでしょう。

人や他の動物への影響が少ない

蓄積毒系の毒餌は、誤って人やペットが口にしてしまったとしても、少量ならまず問題はありません。ペットや乳幼児が誤って食べた場合は、牛乳や水を飲ませて様子を見ましょう。心配なら病院に連れて行ってください。

リン化亜鉛などの急性毒系の毒餌は、一口食べただけでも致死量に達する危険があるのであまりおすすめはしません。

ネズミが急性毒に比べて食付きやすい

急性毒系の毒餌は苦味や匂いなどが強いものが多く、ネズミに食べさせるのに工夫が必要です。しかし、蓄積系毒の毒餌なら、ネズミが食いつきやすいので罠にかかりやすいでしょう。そのため、効果が出やすいということからも、蓄積毒系の毒餌がおすすめです。

毒餌をネズミに食べさせるテクニック

毒餌はネズミが食べないと効きません。ゴキブリやアリ、シロアリのベイト剤もすべて同じですが、以下に食べさせるかがポイントになります。下記に基本的なネズミに毒餌を食べさせるテクニックを記載します。

作戦1!毒餌はネズミの好物と混ぜて食べさせよう!

クマネズミなどは非常に賢いので、毒餌に中々食いつきません。そのため、毒餌の入れ物にネズミの好物を混ぜて一緒に食べさせるという作戦がよく使われます。

ネズミの好物はヒマワリの種や胡麻などです。ネズミのエサに胡麻油をまぶすのも良いでしょう。ふかしたサツマイモにピーナッツバターと潰して粒状にした毒餌を混ぜて、団子にする方法もあります。あまり手間を加えたくない方はハムスターのエサでも良いです。

エサの配合はネズミ駆除業者の秘伝情報なので、なかなか情報を得られません。関西のネズミ駆除業者にチキンラーメンをネズミがよく食べるという話を聞き試してみた人もいましたが、あまり効果がありませんでした。ネズミにも好みがあるようです。

作戦2!無害なエサでネズミを慣らせて突然毒餌に交換!

いきなり毒餌を使っても、賢いネズミを罠にかけるのは難しいでしょう。最初は毒餌を入れずにネズミの食べそうなものをトレーに入れてネズミの警戒心を解きます。そして、ネズミがエサを食べていることを確認したら、毒餌を混ぜはじめます。

混ぜる際には、毒餌を粉末状に砕いてエサにまぶすのが良いでしょう。ネズミが毒餌を直接食べなくても、体についた粉末をネズミは仲間とともに舐める「グルーミング」と呼ばれる行動を取ります。

また、ネズミは集団で身を寄せ合って行動する習性があるのでお互いの体に毒餌が付着しやすいです。そのため、ネズミの体に毒餌が付くだけでも効果があります。

ネズミの体に毒餌が付着することに期待する場合は、ジフェチアロール以上の強い毒性の毒餌を使うと良いでしょう。

結局どのように毒餌を仕掛ければ良いの?

いろいろとご説明してきましたが、結局どうすれば良いのでしょうか?

どのような毒餌が適しているかは現場の状況によるので、一概には言えません。上記の2つの基本的な作戦を紹介しましたが、結構ハードルが高いと思います。

一般の方におすすめの流れとしては、次のようなものがあります。

・トレーに毒餌(デスモアプロなど)を置いてネズミが食べるか調べる

・ネズミが食べなければヒマワリの種や胡麻、ドッグフードなどと毒餌を混ぜて様子を見る

・それでも食べなければ上記の他の方法も試してみる

ここからはネズミとの知恵比べです。これが出来たらもうプロと同じかもしれません。

どうしようも無ければ業者に相談・・・

ヒマワリの種や胡麻などエサの工夫をしだすと別の害虫も引き寄せてしまう場合があります。そのため、毒餌の管理に自信がない方は、ヒマワリの種やごまと混ぜるレベルで止めたほうが良いでしょう。

これ以上自分でやろうとすると手間やコストが膨大にかかってしまい、コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。そこまで手間とコストをかけるなら、ネズミ駆除業者に依頼することを検討しても良いかもしれません。業者に頼めばある程度の料金はかかってしまいますが、自分でやるよりはネズミ駆除が成功する確率は高いでしょう。

まとめ

毒餌を使ったネズミ駆除の例をいくつかご紹介しました。

急性毒系の毒餌の使用は危険が伴うので、蓄積毒系の製品の方がおすすめです。一般の方がご自身でネズミ駆除を行う際には、市販の毒餌のデスモアプロを試してみてください。そして、ネズミがいなくなるかどうか、しばらく様子を見てみましょう。毒餌にヒマワリの種や胡麻を添えたり混ぜたりする方法もありますが、あまり毒餌に手をかけすぎるとエサが腐って家の中が汚くなる可能性もあります。

簡単な方法を試してみて効果がない場合は、プロの業者に頼む方が結果的には良いかもしれません。プロの業者に頼むとある程度の料金はかかりますが、自分で毒餌を仕掛けるよりも高い効果が期待できるでしょう。

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某消毒会社を経て現職(ネズミ駆除専門会社)へ。ホームページの更新を担当してますが現場仕事の方が好き。趣味はボルダリング。

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