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ネズミの正しい捕まえ方は?ネズミを効率よく捕まえる方法を解説

ネズミ駆除の豆知識
2019.11.30

「ネズミがいるから捕まえたい!」

「効果的にネズミを捕まえるにはどうすればいいの?」

ネズミ被害を食い止めるためには、ネズミを「捕まえる」などの方法で駆除してしまう必要があります。

ホームセンター等ではネズミ対策グッズを数多く揃えていますが、優れた道具でも正しく使えなければ期待通りの効果を発揮することはありません。

この記事では、ネズミの正しい捕まえ方について解説します。

市販されているネズミ捕獲用の罠の種類

ネズミ捕獲に使える罠はホームセンター等で購入できますが、大別すると3つの種類があります。

ポイント
  • ・粘着シート
  • ・かご式罠
  • ・バネ式罠

 

粘着シート

文字通り、強い粘着面を持つシートによってネズミを捕獲する方法です。

さまざまな害獣・害虫の捕獲に用いられることや、1枚当たりの単価が安いため広範囲に設置できるなどのメリットがあります。

ただし、「ドブネズミ」のように、体が濡れている害獣の捕獲には適していないという弱点があります。

また、粘着シートは基本的にシートごと廃棄するため、再利用できないという点も注意が必要です。

かご式罠

内部にエサを設置して、エサを食べることで罠が作動し、入り口が閉じることでネズミを捕獲することができる罠です。

ネズミが罠にかかった後もネズミを処分してエサを再設置すれば再利用できるため、長期的な利用が期待できます。

ただし、罠そのものの大きさが相応にあるため、設置場所が限られてしまうという弱点があります。

また、市販されている罠の中では単価が高い方であり、数多く設置するためには相応のコストがかかる点も無視できません。

バネ式罠

かご式罠と同じくエサによってネズミをおびき寄せ、エサを食べたネズミを強力なバネ罠で捕まえるタイプの罠です。

かご式罠よりはコストが安く済むことが多く、数を揃えたい場合にも適性があるメリットがあります。

しかし、強力なバネ罠は人の指を挟んでしまう可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。

ネズミ駆除専門家の一言アドバイス
3種類の罠はそれぞれメリットとデメリットが大きく異なります。

 

ネズミを効率よく捕まえる方法

ネズミを捕獲するための罠は、適切な場所に適切な方法で設置することで、より効率よくネズミを捕まえることができます。

ポイント
  • ・ネズミの種類を特定する
  • ・ネズミの通り道を把握する
  • ・罠は数を揃える
  • ・罠は定期的にチェックする
  • ・エサを使う罠の場合はエサの種類に注意する
  • ・何より重要なのは「忍耐」

 

ネズミの種類を特定する

ネズミを捕まえるにあたっては「ネズミの種類を特定すること」は重要なポイントの1つとなります。

一口にネズミといっても種類があり、日本の家屋に浸入するネズミに限定しても大きく分けて3種類のネズミが存在します。

ポイント
  • ・クマネズミ
  • ・ドブネズミ
  • ・ハツカネズミ

いずれも建物内で悪さをするネズミであることには間違いありませんが、その習性には大きな違いがあります。

クマネズミ ドブネズミ ハツカネズミ
大きさ 体長18~24cm 体長22~26cm 体長6~10cm
毛の色 黒・茶褐色 灰褐色 黒・褐色
食べ物 雑食だが植物(特に種子)が好物 雑食だが肉類・魚類を好む 雑食だが穀物や野菜を好む
性格 警戒心が強い 獰猛 穏やかで好奇心旺盛
寿命 2~3年 2~3年 1~2年
生息環境 乾燥した高所を好む 湿った場所を好む 狭い場所を好む
特徴 運動能力に優れる
配管上りや綱渡りを得意とする
泳ぐこともできるが好まない
耳が大きく、尻尾が長い
スーパーラットが増加中
泳ぎが得意
綱渡りは苦手
耳が小さく、尻尾が短い
粘着罠が効きにくい
人を噛むことがある
綱渡りが得意
泳ぎは苦手
耳が大きく、尻尾は短い
臭いが特徴的
繁殖 生後3か月頃から繁殖可能
妊娠期間は20~25日
1回の妊娠で6~7匹産まれる
1年に5~6回妊娠する
生後3か月頃から繁殖可能
妊娠期間は20~25日
1回の妊娠で7~9匹産まれる
1年に5~6回妊娠する
生後5週頃から繁殖可能
妊娠期間は18~20日
1回の妊娠で5~6匹産まれる
1年に6~10回妊娠する

例えば「クマネズミ」は乾燥した高所を好む習性があるのに対して、「ドブネズミ」は湿った低所を好む傾向にあります。

前述のとおり粘着シートは濡れた体を捕らえる能力に乏しいため、体が湿っている可能性の高いドブネズミを捕獲するのには適していません。

また、ネズミは種類によって捕まえ方に関係するさまざまな違いがあります。

ポイント
  • ・好むエサの傾向
  • ・行動範囲
  • ・殺鼠剤の効き目の出やすさ
  • ・繁殖の傾向

建物内に生息しているネズミの種類を特定することによって、効率よく捕まえるための方法も模索しやすくなるというわけです。

ネズミの通り道を把握する

ネズミを捕まえるにあたっては罠を設置しますが、「ネズミの通り道を把握する」ことは重要です。

例えば、あなたが誰かを待ち伏せするとして、その人が絶対に通らない道に張り込むことがあるでしょうか?

ネズミを捕まえるにあたっても同様であり、ネズミが通らない場所に罠を設置してもネズミが捕まるわけがありません。

そのため、ネズミが通る場所を特定して、そこに罠をしかける必要があるのです。

ネズミが通る場所には「ラットサイン」と呼ばれる痕跡があり、それを探すことでネズミの通り道を特定することができます。

ポイント
  • ・ネズミの糞や尿の跡
  • ・ネズミがかじった跡
  • ・壁や柱の黒ずみ
  • ・その他、壁や柱の不自然な変化

これらがある場所からネズミの通り道を推測し、設置できる場所に罠を設置してネズミを捕まえましょう。

また、ラットサインを発見することで「ネズミの侵入経路」を特定できる可能性があります。

ネズミ対策で重要なポイントの1つは「進入経路の封鎖」であり、ネズミが入ってきた侵入経路を特定することによって封鎖すべき場所が明確になるのです。

なお、糞の形状などから、その糞をしたネズミの種類を特定できる可能性があります。

ポイント
  • ・クマネズミ:大きさは6〜10mm、細長くて形が不揃い
  • ・ドブネズミ:大きさは10〜20mm、均一で太く、丸みがある
  • ・ハツカネズミ:大きさは4〜7mm程度、端が尖っている

 

罠は数を揃える

ネズミを効率よく捕まえるためには、罠を複数仕掛けることも重要です。

ネズミの行動範囲はそれなりに広く、1か所に罠を設置しても効果が表れる可能性はそこまで高まりません。

複数設置することで広範囲をカバーし、罠の数が多いだけ同じ期間でのネズミの捕獲効率も高まります。

かご式罠はそれなりのお値段になりますが、粘着シートは1枚当たりの単価が安いので複数個所に仕掛けるのに適しています。

罠は定期的にチェックする

ネズミ捕獲用の罠を仕掛けた後は、定期的に罠の状態をチェックしてください。

ポイント
  • ・ネズミが罠にかかっていれば処分する
  • ・ネズミがかかっていない場合でも悲観しない
  • ・設置したエサがなくなっていれば補充する
  • ・罠の設置状況に問題がないか確認する

 

ネズミが罠にかかっていれば処分する

罠にネズミがかかっている場合には、早急に処分してください。

罠にかかってから数日経過している場合はネズミが死んでいる可能性が高いのですが、死骸に関わりたくないからと言って放置すると病気や悪臭の原因となります。

罠にかかったネズミが生きている場合には溺死などさせてから処分するか、人気のない山などに放してください。

ネズミがかかっていない場合でも悲観しない

罠にネズミがかかっていない場合でも、すぐに悲観する必要はありません。

そう簡単にネズミが罠にかかることはないのです。

設置したエサがなくなっていれば補充する

ネズミ捕獲用の罠には何らかのエサを設置することがありますが、罠に設置したエサがなくなっていればすぐに補充しましょう。

ネズミがかかっていなくても、エサがなくなっていれば良い状況であるといえます。

エサがなくなっているということは、ネズミがそのエサを食べたということであり、警戒心を解いてくれている証拠です。

罠にかかっていないのは残念ですが、エサを再設置すれば捕獲のチャンスはまだまだあります。

罠の設置状況に問題がないか確認する

もし、ネズミがかかっていない、罠用のエサも減っていない状況が何週間も続くのであれば、少し考えたほうが良いかもしれません。

何の変化もない状況が長く続くということは、ネズミがその罠に対して何の関心も示していない可能性があります。

設置場所に問題がある可能性がありますので、罠の設置場所や設置方法を再検討し、より良い条件で設置することをおすすめします。

エサを使う罠の場合はエサの種類に注意する

ネズミ捕獲用の罠には、ネズミをおびき寄せて罠を作動させるためのエサを設置しますが、エサの種類には注意が必要です。

ネズミは雑食ですが、種類によって好むエサの傾向は異なります。

少しでも罠の作動率を高めるためには、巣食っているネズミの種類を特定し、そのネズミが好むエサを設置したほうが効率が良いのです。

何より重要なのは「忍耐」

ネズミを捕まえたいと思うのであれば「忍耐」が重要です。

ポイント
  • ・ネズミは警戒心が強い
  • ・ネズミは数が多いかもしれない
  • ・ネズミ捕獲用の罠や仕掛け方に問題があるかもしれない
  • ・ちょっと待てば結果が出るかもしれない

人によっては「高額な罠を買ったんだから、仕掛けた翌日にはネズミが捕まっているだろう!」と過信している人もいるのですが、現実にはそんなことはありません。

警戒心が強いネズミは、仮に罠に設置しているエサが美味しそうであっても、簡単にかかってくれることはないのです。

場合によっては何週間も待って、ようやくネズミが1匹かかるというケースもあります。

罠の仕掛け方などに問題があるケースもありますが、理想的な設置方法を実践できているとしても一朝一夕でネズミがバンバン捕まえられるということは考えにくいのです。

けれど、諦めてしまって罠を撤去すれば、ネズミが捕まえられなくなってしまいます。

根気強くネズミ捕獲用の罠を設置し続け、成果が出るまで忍耐強く経過観察や罠の調整を続けることが重要なのです。

ネズミ駆除専門家の一言アドバイス
ただ罠をしかければネズミがかかるわけではありません、きちんと考えて罠を設置しましょう。

 

捕まえたネズミはどうすればいいの?

捕まえたネズミを生きたまま処分する場合は人の迷惑にならない場所に放ち、死んでいる場合には燃えるごみとして処分します。

捕まえたネズミが生きている場合

捕まえたネズミが生きている場合の処分方法は、「溺死などの方法でネズミを殺す」か「生きたまま野山に帰す」の2択になります。

特に、かご式罠で捕獲した場合にはネズミが生きている可能性があり、何らかの方法で処分しなければなりません。

ポイント
  • ・殺して処分する
  • ・生きたまま野山に帰す

 

殺して処分する

楽な方法は「殺してから処分する」という方法です。

バケツなどに水を入れて、そこにネズミを入れて水没させて殺します。

生きたまま野山に帰す

何とかして生きたまま処理したい場合には、野山に帰すという選択肢もあります。

いくら害獣とはいえ、生きている生き物を自らの手で積極的に殺すことにはどうしても抵抗を感じてしまう人もいるでしょう。

しかし、周囲に放せば被害が再発する可能性がありますし、周辺の住宅に侵入してネズミ被害を拡大させてしまう可能性もあります。

なので、人の生活圏に届かないような野山に連れていき、そこで放してやりましょう。

捕まえたネズミが死んでいる場合

捕まえたネズミがすでに死んでいる場合には、「燃えるゴミ」として処分します。

例えば粘着シートを使って捕獲した場合には、粘着シートごと可燃ごみとして出して処分できます。

ネズミを処分する際の注意点

ネズミを処分する際には、ネズミの体に触れないことが重要です。

ネズミの体には数多くの「ダニ」や「病原菌」が付着しており、これらは人間にも感染して健康被害をもたらします。

処分する際には必ず手袋を着用し、周辺の消毒も忘れないでください。

ネズミ駆除専門家の一言アドバイス
ネズミの処分は基本的に「燃えるゴミ」、直接触れることは避けてください。

 

ネズミが多い場合には業者に依頼するのが一番

ネズミの数が多く、駆除に手間がかかる場合には、自力で捕まえるのではなく、ネズミ駆除業者に駆除を依頼することをおすすめします。

ポイント
  • ・死骸処理に手間がかかってしまう
  • ・消毒作業も必要不可欠
  • ・罠の購入や再設置にも手間とお金がかかる
  • ・ネズミの死骸の処理のみを依頼することはできない

 

死骸処理に手間がかかってしまう

ネズミを捕まえて自力で駆除したい場合、どうしても死骸の処理に時間を割く必要があります。

生きていれば溺死などで殺す手間がかかりますし、野山に帰すのはかなりの手間がかかるのであまりおすすめできません。

巣食っているネズミの数が多いほど、これらの手間もそれだけ多くかかる計算になります。

1匹2匹ならまだしも、何十匹というネズミを捕まえて処分しなければならないことを考えると、手間がかかるだけでなく不快感もそれなりに発生するでしょう。

業者に駆除を依頼すれば、駆除によって発生したネズミの死骸処理も任せることができます。

消毒作業も必要不可欠

ネズミを捕まえればそれで駆除が終わるというわけではなく、健康被害の発生を防ぐためには「消毒作業」も必要です。

ネズミ自体にも病原菌は多いですが、ネズミの生活圏内には糞尿が多く、それらに付着している病原菌も住人に健康被害をもたらしますので、ネズミを駆除した後には消毒作業が欠かせません。

ネズミ駆除業者は駆除後にきちんと消毒作業もしてくれますので、住人は駆除後の健康被害を手間なくリスク回避することができます。

罠の購入や再設置にも手間とお金がかかる

ネズミの数が多いということは、それだけ多くの罠の設置と、設置後の確認作業および再設置作業が必要になるということでもあります。

例えば粘着シートはネズミ捕獲後にはシートごと廃棄しますから、使い切ったら追加購入して再設置しなければなりません。

ネズミの行動範囲は人が侵入しにくい場所も多く、罠の状態を確認するたびに面倒な行動を強いられることになります。

駆除業者に依頼すればそうした手間や費用を無駄にかける必要がありません。

ネズミの死骸の処理のみを依頼することはできない

中には「ネズミを捕まえるだけ捕まえて、捕まえた後の死骸の処理だけ任せたい」と思われる人もいるかもしれませんが、ネズミ駆除業者は駆除の依頼は受け付けても死骸処理のみを請け負うことは基本的にありません。

駆除業者は駆除によって発生したネズミの死骸はきちんと処理してくれますが、住人が捕獲した死骸の処理のみを請け負うというサービスを展開している業者はほとんどありません。

ネズミ駆除専門家の一言アドバイス
ネズミが数多く巣食っているのであれば、手間や負担を考えれば業者に依頼するのが一番です。

 

まとめ

この記事では、以下の内容について解説しました。

ポイント
  • ・粘着シートやかご式の罠などが販売されている
  • ・ネズミの種類を特定すると効率よく捕まえられる
  • ・ラットサインを確認して罠の設置場所を決める
  • ・設置した罠は定期的に確認する必要がある
  • ・ネズミの死骸は燃えるゴミとして処分する
  • ・ネズミの数が多ければ業者に任せるのが一番ラクで安全

効果的な捕まえ方を知ることで効率よくネズミを捕まえることができますが、死骸の処理が必要なことまで考慮すると素人にはあまりおすすめできません。

特に、ネズミの数が多い場合にはかなりの手間と精神的な負担を考慮しなければならないので、駆除業者に依頼して駆除してもらう方がラクですし、完全駆除によるネズミ被害の完全な食い止めも期待できます。

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一条誠

ネズミメンテナンス所属。害虫害獣駆除歴10年。ネズミ駆除もようやく後進を指導出来る立場になりました。お客さんからよくある質問周りをわかりやすく記事にしていきたいと思います。

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