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ネズミが大量発生して大変!過去にどんな事例があったのか紹介
- ネズミ
- 2019.03.11
ネズミ_大量発生」で動画を検索してみると、まるで洪水でも起きているかのような様子の「ネズミの大量発生」の様子を見ることができます(閲覧注意です)。条件さえ揃ってしまえば、このようなネズミの大量発生を許してしまうことになるのです。そこで、過去に大問題となったネズミの大量発生の事例を紹介したいと思います。
宇和海のネズミ騒動
日本でネズミが大量発生して問題化した事例としては、1949年からの「ネズミ騒動」がその代表です。
この問題は、1949年から1960年までに発生した、宇和海島しょ部および海岸部で発生した、ネズミの大量発生による農作物及び海産物への被害です。とうもろこしや大豆などの農作物や、イリコなどの海産物が被害の対象となりました。1949年には宇和海の戸島、1950年に日振島、1954年に三浦半島、1960年には南宇和郡と北宇和郡にまで被害が拡大しました。
なぜ、問題化するまでネズミが大量に増えたのかと言えば、宇和海近辺の土地のさまざまな条件がネズミの生息条件として適していたのです。エサとなる農作物や海産物が豊富であること、宇和海近辺が温暖な気候でネズミが好むものであったこと、山の山頂付近まで畑が耕されて天敵の生息環境が整っていなかったことなどが挙げられます。
この問題に対しては、1951年と1955年にそれぞれ対策委員会が設立され、薬剤。によるものや器具によるもの、蛇やイタチなどのネズミの天敵を利用したものなど、さまざまな駆除方法が実施されました。しかし、結局これらの方法では根本的な問題解決にはつながりませんでした。
問題を解決したのは、皮肉にも人間の生活環境が大きく変化したことにありました。1963年頃から、不漁によるイリコの製造業者の廃業や、農村部からの人口流出による耕作地の放棄など、ネズミのエサとなる事業が撤退したことによりネズミの生息環境が悪化したのです。これによりネズミの数は年々減少し、ネズミ騒動は収束に至りました。
ネズミが大量発生する原因とは?
日本だけでなく、世界中でもネズミの大量発生の事例は報告されています。例えばアメリカの場合、害獣対策の問い合わせ件数が多いのはシカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、それにワシントンDCです。
特にビールの醸造所のようにネズミのエサとなる作物を大量に保管するような場所だと、ネズミの大量発生に何度も苦しめられているようです。
ネズミが大量発生する大きな原因は「繁殖のための環境が整っていること」です。エサが豊富で気候が穏やか、天敵が少ない安全な住処を確保すれば、「ねずみ算式」という言葉があるようにネズミはあっという間に増えてしまいます。
また、ミャンマーでのネズミ大量発生・大量死が大雨が原因だと考えられているように、周辺の環境に著しい変化があった際には、ネズミの大量移動が発生する可能性もあります。地震や生態系の大きな変化、あるいは大規模施設等での本格的なネズミ駆除などがこれに該当します。